今回は、企業の根幹を支える「就業規則」について、その基本と重要性を徹底的に解説していきます。
就業規則とは?
就業規則とは、従業員の労働条件や職場内の規律などを定めた、会社のルールブックです。
具体的には、労働時間や賃金、休暇などの労働条件だけでなく、服務規律や懲戒処分など、従業員が守るべき事項も含まれます。
就業規則の主な役割
就業規則の主な役割は、以下の2つです。
労働条件の明確化
従業員が安心して働ける環境を提供します。労働時間や賃金、休暇などの労働条件を明確にすることで、従業員は安心して働くことができます。
会社によって労働条件に対する考え方は様々です。ある会社では問題とする行為も、他の会社においては何ら問題のない行為ということも十分あり得ます。
会社として「従業員に対してどのように働いてほしいのか」、「これは最低限ルールとして守ってほしい」という事項を明確にし、社員に伝えるという目的があります。
職場規律を維持し、労使トラブルを防止
就業規則の中に服務規律や懲戒事項を定めることで、従業員が守るべきルールを明確にし、秩序ある職場環境を構築します。これにより、労使間の認識のずれを防ぎ、トラブルを未然に防止することができます。
また、万が一トラブルが発生した場合でも、就業規則に基づいて円滑に対応・解決することが可能となります。このように、就業規則を整備する理由の一つに、職場の秩序維持とトラブル防止が挙げられます。
たとえば、従業員が業務上不正な行為を行った場合でも、懲戒免職や減給の定めが就業規則に記載されていなければ、懲戒解雇などの対応を取ることができません。
就業規則に明確なルールが定められているからこそ、それが抑止力となり事前にトラブルを防ぐことができます。
就業規則の作成義務がある企業とは?
常時10人以上の従業員を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。
ここでいう「常時10人以上」とは、正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員なども含めた人数になります。
就業規則がない場合のリスク
労働基準法では、常時10人以上の従業員を使用する企業に、就業規則の作成と届出を義務付けています。しかし、就業規則の作成義務のない従業員10人未満の企業であっても、就業規則を作成するメリットは大きいです。
就業規則がない場合、様々なリスクが考えられます。従業員が10人未満の就業規則がない会社をイメージしてみてください。
法的トラブルの増加
労働条件や服務規律が不明確なため、労使トラブルが発生しやすくなります。労働条件や服務規律が不明確な場合、労使間の認識のずれが生じやすく、トラブルに発展する可能性が高まります。
本来であれば、就業規則がその解決のための基準になるのですが、全く基準がない状態になりお互いが自分に有利な主張をして問題解決が通常よりも困難になりやすいです。
従業員のモチベーション低下
不公平な評価や不明確なルールが、従業員の不満や不信感を招きます。労働条件や評価制度などが不明確な場合、従業員は不公平感や不信感を抱きやすく、モチベーション低下につながります。
社長や上司の気分やえこひいきで優遇や処分が行われていると誤解される可能性もあります。
企業イメージの低下
法令遵守意識の欠如が、企業の信頼性を損ないます。労働基準法を遵守していない場合、企業の信頼性が損なわれる可能性があります。
最近では企業に不満を持ってやめた社員が、口コミサイトに書き込みを行うこともあります。大企業でなくても、求人に応募する前に求職者はそのようなサイトをチェックします。
中小企業であってもしっかりと体制を整備し企業イメージ向上に努めていかなければ、取引先だけでなく、求職者にも悪いイメージを持たれ、人材採用で苦労することになります。
就業規則と労働基準法の関係
就業規則は、労働基準法などの法令を遵守して作成する必要があります。労働基準法は、労働条件の最低基準を定めており、就業規則の内容が労働基準法を下回る場合は無効となります。
つまり、就業規則は、労働基準法を遵守しつつ、企業の状況や従業員のニーズに合わせて作成する必要があるのです。
まとめ
就業規則は、会社と従業員を守るための重要なルールブックです。就業規則を適切に作成し、運用することで、企業は法的リスクを軽減し、従業員のモチベーションを高め、企業のイメージを向上させる1つの重要なツールにすることができます。
今回の記事が、皆様の企業における就業規則の理解と作成に役立つことを願っています。
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