帰化とは

帰化とは、日本国籍を有しない外国人が、法務大臣の許可を得て日本国籍を取得することです。
帰化には、①普通帰化、②簡易帰化、③大帰化の3種類があります。
ここ数年の帰化の許可件数は、年間7,000~9,000人前後で、国籍別でみると、令和5年は韓国・朝鮮が約2,800人、中国が約2,600人、その他の国で3,300人となっています。
普通帰化とは
普通帰化は、一般的な外国人を対象としたものです。
外国で生まれ、その後日本にやってきて日本の会社に就労ビザで働いているような方が対象となります。
簡易帰化とは
簡易帰化は普通帰化よりも日本国との関係性が強いため、帰化要件が緩和されています。
簡易帰化は、特にわが国に特別の血縁又は地縁のある外国人等を対象としたものです。
具体的には、在日韓国人・朝鮮人の特別永住者の方、日本人の配偶者の方が対象になります。
帰化要件は緩和されていますが、日本との特別の関係性があるということを証明するするために、普通帰化よりも提出書類や作成書類が多くなることも頻繁にありますので、帰化申請手続きが簡単ですぐに帰化が取得できるというわけではありません。
大帰化とは
大帰化は、日本に特別の功労のある外国人について、国会の承認を得て、その帰化を許可することができるとされています。
制度としては存在していますが、過去に大帰化が認められたことは一度もありません。
帰化のメリット
①日本国籍を取得でき、日本のパスポートを持てる
日本のパスポートは世界一信頼度が高く、査証(ビザ)なしで渡航できる国が多いので(2024年は194ヶ国)、母国に帰る際にも短期であればビザが不要な場合が多い
➁職種制限がなくなり、職業選択の幅が広がる
ビザの職種制限がなくなるので自由に職業を選択でき、公務員の管理職のような日本人しかなれないポジションにも就くことが可能となります
③日本において社会的信用を得ることができる
外国人の方が日本でマンションを借りる契約を行う場合、会社名義での契約や保証会社を入れないと契約してもらえないケースも多く、外国人の入居お断りという物件も一定数あります。帰化により、住居選択の幅が広がり、自己名義でより簡単に契約しやすくなります。
また、車や住宅等の高額な資産を購入する場合でも、ローン審査が外国人のときよりも通りやすくなるケースが多いです。
④参政権(選挙権・被選挙権)が得られる
選挙権・被選挙権が得られるので、選挙を通じて自己の意思を発信していくことができます。
⑤社会保障面(年金・保険・教育・福祉)で手厚い保護が受けられる場合がある
外国人の時も社会保障の一定の負担・給付はありますが、例えばやむにやまれぬ事情により自立した生活を営むことが困難になった場合には、生活保護を受ける権利を得られれます。
⑥ビザ申請・更新手続きが不要になる
外国人の方にとっては、ビザを取得・変更・更新していくことはとても負担で、結果がでるまで不安になることが多いと思います。しかし、帰化後はその心配もありません。
⑦国外退去の心配がなくなる
永住ビザを取得していても、一定の行為を行うと取消の対象になったり、日本から退去させられることがあります。しかし、帰化後は日本人として生活するため、たとえ外国人であれば国外退去させられる行為を行ったとしても、日本から退去させられることはありません。
帰化のデメリット
①帰化許可の難易度が高い
帰化するのは難易度が高いといわれますが、それは3つハードルがあるからです。
a. 許可要件が厳しい
帰化の要件は国籍法に規定されていますが、具体的な要件は書かれていません。ビザ申請と異なり審査要領が公表されていないため、法務局内でどのような審査が行われているかはわかりません。
私たち行政書士でも、「行った申請内容・法務局担当者とのやり取り・その結果」を通して、何が許可・不許可に影響したかを推測するしかありません。帰化の審査はブラックボックス化しているのです。
申請者だけでなく家族、婚約者の過去の納税、社会保険の加入・支払い、犯罪歴、その他の違反歴をチェックされるため、相談に来られたその場で、現時点での帰化許可は無理なので、数年後にチャレンジしましょうということも多いです。過去は変えられませんが、私たちプロによる的確なアドバイスによる適切な対処と、時間の経過で治癒されるケースもあります。
b. 何の書類を作成・準備すればよいのかよく分からない
ネットで検索すれば、帰化申請に必要な書類は出てきます。しかし、帰化申請は申請者の国籍、家族関係、学歴、職業等によって提出する資料が変わってきます。したがって、ネットで検索してもその書類が自身の提出資料として十分かどうかは帰化に詳しい人でなければ分かりません。
また、収集する書類によっては何年度分を取得する等の指定をされる場合がありますし、その年度の資料がもう取得できないということもあります。
c. 忙しくて書類を作成したり、準備する時間がない
上記の書類を、人によっては200枚以上作成・準備する必要があるため、作成・収集に相当な時間がかかります。
証明書等の資料は取得から有効期間が3ヶ月以内とされているものもありますので、効率よく作成・収集して法務局へ提出しないと、有効期限が過ぎて再度書類を取り直さなければならないということもありえます。
これらの準備を仕事をしながら進めていくことは大変な負担になります。
➁日本国籍を取得することで、母国の国籍を失う
日本では二重国籍が認められていないため、日本国籍を取得すると母国の国籍を失います。
※日本での帰化許可前に、母国で先に国籍離脱をする必要がある国もあります
③日本に帰化した後、元の国籍に戻ることは難しいケースがある
国によって国籍回復という制度がない場合があるため、元の国籍に戻ることが困難な場合があります。
④母国へ行く場合に、ビザ(査証)が必要になるケースがある
帰化後は日本人として母国に行くことになります。日本は多くの国でビザ(査証)が免除されているのであまり問題になることはないかと思いますが、ビザが必要な国もあります。その場合には母国に行く度にビザが必要です。
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