外国人労働者の勤務中のお祈り、企業の適切な対応とは?

近年、日本では多様な文化背景を持つ外国人労働者の受け入れが進んでいます。​

その中で、宗教的な習慣や信念を尊重し、適切な労働環境を提供することは、企業の社会的責任であり、労働者の満足度や生産性向上にも寄与します。​

外国人社員のための礼拝所を設置に関するブログはこちら。

外国人労働者の宗教的ニーズとは

例えば、イスラム教徒の労働者は、夜明け、正午、午後3時ごろ、日没、夜の1日5回の礼拝を行うことが求められます。

1回の礼拝時間は5~10分程度で、日中に仕事をしている人であれば約2、3回お祈りを勤務時間中に行うことになります。​

これらのお祈りは、彼らの生活の一部であって、信仰においてとても重要な意味を持っています。そのため、会社側で一定の宗教的配慮が必要となる場合があります。​

勤務時間中、外国人労働者に礼拝をさせる義務が会社にはあるのか?

多くの会社が会社内で宗教的活動をすることを就業規則で禁止しています。

例えば、勤務時間中や休憩時間に宗教・布教活動を禁止することによって、企業秩序の維持を図ることなどを目的とした他ものであることが多いです。

これらの会社では社員に礼拝を行わせることは義務ではありません。したがって、勤務中の礼拝を一切禁止することは可能です。

しかし、どのような信仰を有するかを理解したうえで雇用していること、彼らにとって信仰というものは心のよりどころであり、とても重要なものであるということを考慮すると、全面禁止するというのはなかなか労働者の理解を得ることが難しいと思われますし、今後の雇用においても彼らと良好な関係を築いていくことは難しいのではないかと思います。

一度、「外国人雇用が本当に必要なのか」ということから再検討する方が良いかもしれません。日本人であればそのような配慮はあまり必要ないのですから。

通常の勤務時間・体制では礼拝を認めることが困難な場合

もし、勤務時間中の礼拝を認めるとしても、工場のライン等での勤務の場合で、一斉にお祈りに行かれるとラインを止めなければならないような会社もあると思います。

そのような場合、外国人個人の宗教的な厳格さ・寛容性にもよりますが、以下のような対応が考えられます。

 ①可能であれば、休憩時間にまとめてお祈りを行ってもらう

 ②お祈り時間を考慮した工場ラインスケジュールを組む

 ③休憩時間をずらす

まとめ

外国人の出身地によって、宗教に対する考え方や向き合い方が違うことも少なくありませんので、1人1人としっかりとコミュニケーションをとり、彼らのニーズを聞き取るということが良好な労使関係を築く不可欠な要素となります。

たとえ、彼らの要求を満たすことができなかったとしても、しっかりと宗教に対する配慮をして真剣にに考えてくれたというプロセスがあれば、きっと彼らは会社を信頼してくれます。