はじめに
日本で就労ビザ(技人国など)で働いている方から、こんな相談がよくあります。
「海外にいる父と母を、15日くらい日本に呼びたい」
「親を日本観光に連れていきたい。ビザはどうすればいい?」
「自分が身元保証人になれる?」
結論から言うと、親(父母)を短期間呼ぶ場合は、多くのケースでは「短期滞在(親族訪問)」ビザの取得を検討する必要があります。
短期滞在ビザは、観光・商用・親族訪問など90日以内の滞在が認められ、収入を伴う事業運営や報酬を得る活動はできません。

【この記事を書いた人】
よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所
行政書士・社会保険労務士
吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)
この記事では、就労ビザで日本に住む方向けに、親を短期で呼ぶ手続きの全体像と、審査でチェックされるポイントを、最短で分かるように整理します。
あなたのケースは「短期滞在ビザの申請が必要」?
国籍によっては、そもそも短期滞在ビザ(査証)を申請しなくてもよいケースがあります。
ビザが必要か不要か、以下の順序でチェックしていきましょう。
① 査証免除(ビザ不要)の国かどうかを確認
日本は、74の国・地域に対して短期滞在の査証免除措置を実施しています(令和7年4月時点)。
査証免除国はこちらをご覧ください → 査証免除国一覧(外務省ホームページ)
例:台湾、香港、韓国、インドネシア、アメリカ、イギリス、その他多くの欧州諸国など
査証免除の国・地域に該当する場合、原則として短期滞在のビザ申請(査証申請)は不要です。
ただし、査証免除は国・地域ごとに滞在日数条件がありますので、事前に確認が必要です。
査証免除国に該当しない場合は、以下の②へ進んでください。
② 観光目的の「JAPAN eVISA」対象か確認
オンラインで申請できる国・地域
以下の国・地域に居住している方は、オンライン(JAPAN eVISA)により申請できる場合があります(申請方法は、個人申請/代理申請機関経由など、居住地・国籍等により異なります)。
詳細は外務省および申請先在外公館の案内を確認してください。
英国、オーストラリア、カナダ、カンボジア、サウジアラビア、台湾、ブラジル、米国、南アフリカ
ただし、これは「観光目的」のための制度になります。
代理申請機関を通じて申請する国
以下の国では、代理申請機関という業者を通じてビザ申請を行います。
中国、フィリピン、ベトナム、アラブ首長国連邦(UAE)、インド、インドネシア、韓国(在済州日本国総領事館管轄を除く)、香港、マカオ、モンゴル
申請方法の詳細や指定された代理申請機関については、各国の在外公館のホームページでご確認ください。
また、国によっては指定のツアーを申し込んだ場合にJAPAN eVISAの申請ができるとされているところもありますので、必ず外務省のホームページで確認が必要です。
③ 上記以外は在外公館(大使館・総領事館)で申請
上記の①、➁に該当しない場合は、通常通り現地の日本大使館・領事館等で短期滞在ビザの申請が必要になります。
国によっては、代理申請機関という指定の業者を通じてビザ申請を行うところもあります。
よくある誤解:親を呼ぶ=家族滞在ビザではありません
まず最初に整理しておきたいのは、ビザ(在留資格)の種類です。
親族を日本に呼ぶ場面では、「短期滞在」と「家族滞在」が混同されやすいですが、この2つは目的・対象者・在留期間などが異なる、まったく別の在留資格です。
※厳密には、親族に関係する制度は他にもありますが、ここでは説明を省略します。
そのため、ビザの選択を誤ると、申請が受理されない、または申請しても不許可となる可能性があります。
以下の表で、違いを確認していきましょう。
| 項目 | 短期滞在(親族訪問) | 家族滞在 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 親族訪問 | 日本での共同生活 |
| 対象 | 親(父母)・兄弟姉妹・親族 | 配偶者・子のみ |
| 滞在期間 | 最大90日(更新は原則不可) | 法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲・更新可) |
| 就労 | 不可 | 資格外活動許可を得れば、週28時間まで可能 |
親を日本に呼び寄せて日本で一緒に住みたいという場合は、家族滞在の対象にはなりません。家族滞在で呼び寄せることができるのは、配偶者と子しか認められていません。
他の在留資格でも、一定の厳しい要件を満たせば親を呼び寄せられる場合がありますが、実際に要件を満たすのはかなり難しいのが現状です。
しかし、15日〜90日の訪問であれば、「短期滞在」で呼び寄せることが可能です。
短期滞在(親族訪問) 申請手続きの流れ
短期滞在ビザの申請をする場合、国籍や申請地によって申請手続きの一部が若干異なることはありますが、主な手続きは以下の通りです。
①日本側(呼び寄せる人)が、招へい関連の資料を準備
➁海外に住む親も現地書類の収集を行う
③海外に住む親へ日本側の書類を送付
④親(申請人)もしくは申請代理機関が、居住地を管轄する在外公館へ短期滞在ビザの申請
➄審査
⑥ビザ発給
⑦ 来日
日本側が準備する書類
・招へい理由書
・滞在予定表
・身元保証書
・住民票(マイナンバーと住民票コードは不要)
・在職証明書
・在留カードの写し(両面必要)
日本に適法に在留していること、生活基盤があることの説明に使います(求められ方は国籍別・公館別)。
親(申請人)側が準備する書類(基本セット)
・査証申請書
・パスポート
・写真(縦4.5cm×横3.5cm、背景は白、1枚、6か月以内に撮影したもの)
・身分や居住地を証明する資料(国籍・公館で指定が違う)
・在日親族との関係を証する書類
・日本側から送られた招へい書類一式
必要書類は国や申請する在外公館によって異なる場合がありますので、申請する際には事前に管轄在外公館のホームページを確認してください。
短期滞在(親族訪問)でチェックされやすいポイント
・来日目的(親族訪問+観光)が具体的か
・滞在予定表に無理がないか(日本訪問目的に対して、適切な滞在期間であるか等)
・費用負担者が明確か
・書類により親子関係の証明ができるか
よくある質問(FAQ)
Q1. 観光ならJAPANeVISAでビザ申請できますか?
A. 観光目的の短期滞在であって、対象国・地域に居住している場合は、eVISA申請が可能です。
対象外の国、渡航目的が親族訪問・商用等は、従来どおり在外公館等で申請することになります。
Q2. 両親を同時に呼ぶ場合、書類は2人分必要ですか?
A. 原則として、申請は申請人(親)ごとに行うため、書類は2人分必要になります。
特に、査証申請書・パスポート・写真などは当然ながら1人ずつです。
公館によっては証明書は1通でよいところもあれば、各申請ごとに提出が必要な場合もあり、取扱いが異なることがあります。
迷う場合は、申請先の在外公館にお問い合わせください。
Q3. 不許可になった場合、再申請はできますか?
A. はい、再申請は可能です。
ただし、同じ内容・同じ書類でそのまま出し直しても、結果が変わらないことが多いため、不許可理由を検討し、内容を修正して再申請することが重要です。
まとめ
親(父母)を短期で呼ぶ手続きは、
①査証免除国か、eVISA対象か、在外公館申請(申請者が自分で行うor 申請代理機関が行う)かを確定
②招へい理由・滞在予定・費用負担・親子関係の指定書類を準備し、一貫した内容で整える
※国籍・居住地で必要書類が変わることもあるため、申請先の在外公館に事前確認要
この順で進めていきましょう。
「まず申請できるか」だけ先にチェックしたい方へ
「短期滞在の申請がはじめて、どこから手を付ければいいか分からない」
「滞在予定表をどのように作ればよいかわからない」
この段階でも、必要事項をヒアリングして、必要な書類とスケジュール感をご案内します。
お問い合わせの際には、次の5点を分かる範囲で入力していただけると、スムーズにご案内が可能です。
・親の国籍/居住国・都市(ビザ申請予定地)
・来日目的(親族訪問、観光、商用等)
・滞在予定日数(〇月〇日~〇月〇日) ※未定でもOK
・滞在時の費用はだれが負担するか
・あなた(日本に在留している方)の在留資格と在留期間

