はじめに
外国人の方が日本を一時的に出国し、在留資格を維持したまま再入国したい場合は、「再入国許可」または「みなし再入国許可」の手続きが必要です。
これを忘れて出国してしまうと、原則として在留資格・在留期間が消滅し、再入国のために改めて手続が必要になります。
状況によっては、在留資格認定証明書(COE)からやり直しになる場合もあります。

【この記事を書いた人】
よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所 代表
行政書士・社会保険労務士
吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)
この記事では、制度の違いを重要なポイントに絞って、解説していきます。
「再入国許可」と「みなし再入国許可」のどっちを選べばいい?
迷ったら、まずここで判断してください。
出国前に「再入国許可」を取るべき人
・日本に戻るのが1年を超える可能性がある(帰国時期が読めない/海外赴任・留学・介護など)
・「確実に在留資格を維持したい」ため、期限超過リスクを避けて安全側の手段を選びたい
※特別永住者は「みなし再入国許可」の有効期間が2年になるなど例外があります(本文で説明します)。
みなし再入国許可でOKな人(原則)
次の条件を満たす場合、原則として「みなし再入国許可」で出国できます。
・出国から1年以内に戻る予定が確実
※ただし、在留期間の満了日が1年より先に来る場合は、満了日までに再入国が必要です。
・有効なパスポートを所持している
・中長期在留者は在留カードを持って出国できる(在留カードを所持している)
・特別永住者は特別永住者証明書を持って出国できる
・「みなし再入国許可の対象外」に当たらないこと
(例:短期滞在、在留期間3か月以下などは対象外)
再入国許可とは(制度の概要)
再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国した後、同じ在留資格・在留期間のまま日本に戻るために、出国前に受ける許可です。
再入国許可(※みなし再入国許可を含む)を受けずに出国すると、原則として、その時点で在留資格および在留期間は消滅します。
一方、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けて出国した場合は、再入国時の上陸申請において、通常必要とされる査証(ビザ)が免除され、上陸後は従前の在留資格・在留期間が継続する扱いになります。
再入国許可の種類(1回/数次)
再入国許可には2種類あります。
・1回限り有効(シングル)
・有効期間内であれば何度も使える(数次/マルチ)
有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で最長5年(特別永住者は最長6年)になります。
再入国許可が必要になりやすいケース
次に当てはまる方は、みなしではなく「再入国許可」を検討する場面が多いです。
・海外赴任・留学・治療・家族事情などで、1年以内に戻れる保証がない
・在留資格消滅回避のために長めの安全策を取りたい
再入国許可の手続き(どこで/いつ)
再入国許可は、原則として日本を出国する前に、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で申請します。
許可は比較的スムーズに出ることも多いですが(多くの場合、即日交付)、混雑や個別事情で時間を要する場合もあるため、出国直前ではなく余裕をもって動くのがおすすめです。
再入国許可の提出書類
一般的には次のような書類・提示が必要になります(個別に追加が出ることはあります)。
・再入国許可申請書(出入国在留管理庁サイトからダウンロード)
・旅券(パスポート)
・在留カード(または特別永住者証明書)
申請取次の場合のみ
・申請取次者に関する書類・身分関係の提示 等
再入国許可の手数料(2025年4月1日以降の改定後)
再入国許可の手数料は、以下のとおりです(窓口とオンラインで異なります)。
・再入国許可(1回限り)
窓口:4,000円/オンライン:3,500円
・再入国許可(数次)
窓口:7,000円/オンライン:6,500円
※みなし再入国許可は手数料がかかりません
※実際の納付方法や対応可否は、申請方法(窓口・オンライン)や運用により異なるため、提出先の案内に従ってください
みなし再入国許可とは
みなし再入国許可とは、一定の条件を満たす外国人が、出国時に「再入国する予定」を伝えて出国すれば、原則として事前の再入国許可を取らなくても再入国できる制度です。
ポイントは次の3つです。
・事前申請が原則不要(空港で意思表示)
・手数料は不要(無料)
・ただし、有効期間は短い(原則1年)
みなし再入国許可の対象
次の条件を満たす人が対象です。
・日本で在留資格をもって在留している
・有効な旅券(パスポート)を所持している
・(中長期在留者は)有効な在留カードも所持している
・出国後、1年以内(後述)に再入国する予定である
みなし再入国許可の対象外(通常の再入国許可が必要な例)
以下のような類型は、「みなし再入国許可」の対象外となります。
これらに当てはまる可能性がある場合は、「みなし」で出国できる前提で動かず、出国前に入管へ確認のうえ、必要に応じて通常の再入国許可の取得を検討してください。
・在留資格取消手続中の者
・出国確認の留保対象者
・収容令書の発付を受けている者
・難民認定申請中の「特定活動」の在留資格で在留する者
・日本国の利益または公安を害するおそれがある等、個別に再入国許可が必要とされる場合
・在留資格が「短期滞在」の方
・在留期間が「3か月以下」の方
みなし再入国許可の有効期間
原則として、出国日から1年間になります。
ただし、在留期間の満了日が、出国日から1年より前に到来する場合は、その満了日までになります。
みなし再入国許可で出国する時の手続き(空港でやること)
みなし再入国許可で出国するには、出国時に以下の対応が必要です。
有効な旅券(中長期在留者は旅券+在留カード)を所持し、出国審査で、「再入国する予定がある」旨を意思表示します。
具体的には、再入国出国記録(再入国EDカード)の該当欄にチェックして意思表示します。
※出国前には、運用変更がないか事前にチェックしましょう
【重要】在留カードが手元にない場合、原則みなしで出国できません
中長期在留者は、みなし再入国許可による出国にあたり、有効な在留カードを所持することが法律上必要とされています。
そのため、在留カードを郵送で返納・受領手続中などで手元に在留カードがない場合、みなし再入国では出国できません。
また、出国日当日に在留カードを忘れた場合は、原則としてみなしで出国することができませんので、ご注意ください。
再入国許可とみなし再入国許可の違い(比較表)
ここだけ見れば、違いが一瞬で分かります。
| 項目 | 再入国許可 | みなし再入国許可 |
|---|---|---|
| 有効期間 | 最長5年(特別永住者は6年/在留期限の範囲内) | 原則1年(特別永住者は2年/在留期限が先ならその日まで) |
| 申請タイミング | 出国前に入管で申請 | 出国時に意思表示(空港で完結) |
| 費用 | 有料(2025/4/1以降: 窓口 1回4,000円・数次7,000円 オンライン 1回3,500円・数次6,500円) | 無料 |
| 延長 | 事情により在外公館で延長申請できる場合がある※在留期間が延びるわけではありません | 延長不可 |
| 向いている人 | 帰国時期が読めない/1年超の可能性/安全策を取りたい | 1年以内に確実に戻る予定 |
よくある失敗と対策
1年以内のつもりが、帰国が1年を超えた
みなし再入国許可は、延長できません。少しでも延びる可能性があるなら、出国前に再入国許可を検討してください。
「1年以内だから大丈夫」と思ったら、在留期限が先に来ていた
みなし再入国許可の期限は、「出国から1年」だけでなく、在留期限が先ならその日までです。出国前に在留期限を必ず確認してください。
在留カードが手元にない状態で、みなしで出国しようとした
中長期在留者は、有効な在留カード所持が必要です。
FAQ(よくある質問)
Q. 1年以内に戻る予定なら、毎回みなし再入国許可でいい?
A. 1年以内に戻ることが確実なら、基本的に問題ありません。
ただし、1年超の可能性があるなら再入国許可を取得しておく方が安全です。
Q. みなし再入国許可はお金がかかりますか?
A. かかりません(無料)。
Q. 再入国許可の手数料はいくらですか?
A. 2025年4月1日以降の受付分から改定されています。
窓口申請(1回4,000円/数次7,000円)、オンライン申請(1回3,500円/数次6,500円)です。
Q. みなし再入国の期限を延長できますか?
A. できません。
Q. 再入国許可の期限内に戻れない事情が出たら?
A. 一定の要件のもと、在外公館で有効期限の延長申請ができる場合があります(詳細要件・運用は個別確認が必要です)。
在留期間そのものが延びるわけではありません。
まとめ
・みなし再入国許可は、原則として「出国から1年以内(※在留期限が先に到来するなら、その日まで)」に再入国する場合に使える制度です。手数料は不要ですが、有効期間の延長はできません。
・再入国許可は、1年を超える可能性がある場合や、確実に在留資格を維持したい場合に有効です(1回/数次、最長5年※在留期限の範囲内)。
・いずれも、手続きなく出国したり、有効期間内に戻れないと、原則として在留資格・在留期間を維持できなくなる可能性があります。
出国予定が近い方ほど、まずは「帰国予定日」「在留期限」を確認し、迷う場合は安全な手段(再入国許可の取得)をご検討ください。
当事務所のサポート(再入国許可申請)
当事務所では、再入国許可(1回/数次)の申請書作成および申請代行(申請取次)を行っています。
・出国が1年を超える可能性がある
・在留期限や必要書類の判断に迷う
・忙しくて手続きを任せたい
このような場合はご相談ください。
ご連絡時に、在留カード・パスポート・出国予定(未定なら見込み)を共有いただけるとスムーズにご案内可能です。

