ここ数年は、「働き方改革により残業代が減り、賃金上昇もあまり期待できず、賃金が上がっても社会保険料や税金で多くの額を控除されるので生活は苦しくなるばかり」といった人は多いのではないでしょうか。さらに、毎月何らかの生活必需品が値上げされています。
このような状況の中で、空いた時間の有効活用、新しいスキルの修得、経済的な余裕を得ることをサポートするという目的で社員の副業を可能にする会社も近年増加しています。
今回は、外国人がこの副業を行うことができるのかを解説していきます。
就労ビザで働く外国人は副業が可能か?ビザの問題はないか?

ビザの観点から申し上げますと、結論として、技術・人文知識・国際業務のような就労ビザで働く外国人でも副業は可能です。
しかし、技術・人文知識・国際業務の在留資格の範囲内で認められた活動でなければならないという条件付きで認められます。
つまり、高度な技術的・専門的な業務であることが必要です。
例えば、普段会社では通訳として働いている人が、副業として自宅で通訳や翻訳業務を行う等が考えられます。
単純労働の副業を行うことは可能か?
技術・人文知識・国際業務ビザの範囲外である「単純労働」をすることはできません。
この場合は、資格外活動許可申請を入管に行い、許可を得れば就労は可能になります。
しかし、現に有している在留資格に対応する活動の遂行を阻害しない範囲内でという制限が付きます。
会社との関係で副業は問題はないか?
就業規則に副業に関する規定があるか確認
まず、会社員である以上、会社のルールに従う必要があります。会社のルールに副業が可能という規定があれば、行うことは問題ありません。
社員が10人以上の会社には必ず就業規則という会社のルールがありますので、就業規則に副業が可能と書いてあるかどうか確認しましょう。
しかし、もし副業が可能であっても、下記のような副業の制限を設けている会社が多いです。そのルールを守らないと副業が禁止になったり、懲戒処分の対象になることもあります。
①副業の内容が会社の業務と同一のもので、あなたの利益が会社の不利益になるような場合(会社と競合関係)
②会社の情報を利用したり、情報を流出する恐れがあるような副業(企業秘密を守るため)
③会社での業務に支障をきたすような副業
Ex. 夜遅くまで副業をして、会社では居眠りをしたり集中力を欠きミスを連発する等
④会社の名誉・信用を害する行為や公序良俗に反する行為等
つまり、会社の利益を害さず、業務に支障がないことという制限が設けられていることがほとんどです。
副業が許可された場合の注意点
労働時間の問題点
副業をすることにより、本業と合わせると長時間労働になって、十分な休息が取れず本業に影響が出る可能性がああります。自ら労働時間の管理をしていく必要があります。
税務上の問題点
副業を始めて年20万円以上の所得を得た場合は、確定申告が必要になります。確定申告書を作成して、税務申告する必要がありますので、税務上の手間が増えます。
確定申告の方法が分からない場合は、税理士に依頼する費用がかかります。
また、所得が増えたことで翌年の住民税納税額も増えることになります。この際に、黙って副業をしている人は会社にばれることがあります。
なぜなら、給与担当者は社員の住民税を給与から控除するため、各市町村から送られてきた社員の住民税額に関する資料を確認します。その時に昨年1年間会社が支給した年収額から算出した以上の住民税が課せられていることに気付いて副業がバレることがあります。ほんの数万円程度の副業なら分からないかもしれませんが、数十万以上だとほぼバレます。
社会保険に関する問題
副業中にけがをしてしまった場合、本業のように労災で保護されない場合があります。
例えば、フードデリバリーの副業をしていて、自転車で配達中にこけてケガをした場合は、労災の特別加入という手続きをしていないと労災で保護されません。
会社で副業が禁止されている場合はどうすればいい?
会社で副業が禁止されている場合でも副業をする必要があるのであれば、上司や人事担当者に相談してみましょう。理由によっては特別に許可してもらえることもあるかもしれません。
この場合でも、会社に黙って副業をすることは絶対にやめましょう。
副業をしていることがバレた場合、どうなるのか?
会社の許可を取らずに副業していることが発覚した場合、会社からは懲戒処分を受ける可能性があります。さらに、上記のように業務内容によっては不法就労としてビザが取り消される可能性もあります。
副業の収入が少なくても会社への申請は必要か?
収入の額にかかわらず、副業を行う場合は会社の許可を取りましょう。
やはり、黙って行うことは会社との信頼関係を害する行為になります。例えば、永住ビザを申請するときに推薦状という書類を会社が書いてくれることがあるのですが、会社からの評価が高くないとそのようなサポートを受けられないこともあります。
最後に
副業を行う際はお金のことだけに目が行きがちです。しかし、相応の負担を伴うということを忘れずに、その対応をしっかりとできるのかを考えることが重要です。
「決められたルールをしっかり守ってやっていくこと」が、日本で長く安定した生活を送っていくのに最も重要なことだと私は思っています。
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