就労ビザの外国人が家族を日本に呼ぶには?家族滞在ビザの申請条件と注意点

はじめに

家族と日本で暮らすために必要な「家族滞在ビザ」とは?

日本で働く外国人が家族を日本に呼ぶ際に必要となるのが「家族滞在ビザ」です。


この記事を書いた人

よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所 代表

行政書士・社会保険労務士

吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)


本記事では、「日本で働いているけど、遠く離れた家族を日本に呼びたい」、そのような方のために、『家族滞在ビザ』の条件と注意点、企業側の対応をわかりやすく解説します。

家族滞在ビザとは?

家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)は、就労ビザなどの在留資格で日本に滞在する外国人の扶養を受ける配偶者や子が、日本で一緒に暮らすための在留資格です。

就労ビザのように働くことを目的としたものではなく、「扶養される家族」が対象です。

対象となる家族・対象外の在留資格

家族滞在の対象となる家族

呼び寄せることができる家族は、配偶者(夫または妻)と子に限られます

配偶者は、現に婚姻が法律上有効に存続中の者に限られ、原則として同居が求められます。

分類対象補足
家族滞在の対象者
・配偶者(法律上)
・子(嫡出子、普通養子、特別養子、認知された非嫡出子)
婚姻証明書、出生証明書等で証明
家族滞在の対象とならない者・両親
・祖父母
・兄弟姉妹
・内縁関係のパートナー
・同性婚のパートナー
・成人して独立した子
扶養関係なしとみなされるため家族滞在での在留は認められませんが、要件を満たせば「短期滞在」での在留が可能

家族滞在の対象外となる在留資格(家族を呼べない)

以下の在留資格を持つ外国人の家族は、原則として家族滞在ビザの対象外となります。

技能実習

研修

特定技能1号(※例外あり)

※在留資格「外交」、「公用」も家族滞在の在留資格の対象外になりますが、その配偶者や子には在留資格「外交」、「公用」が許可されます。

家族滞在ビザの在留期間

在留期間は法務大臣が個別に指定する期間で、最長5年となっています。

扶養者(日本で働く外国人)の在留期間と連動して決定されることが一般的です。

家族滞在ビザの申請要件

家族滞在ビザの申請には、以下の要件をすべて満たす必要があります。

扶養者の在留資格要件

扶養者が下記のいずれかの在留資格を保有していることが必要です。

教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学

法律上の家族関係

日本で働く外国人と申請者が法律上の家族関係にあることが必要です。婚姻証明書などで証明します。

内縁関係のや同性婚の場合、「家族滞在」ビザでパートナーを呼び寄せることができません。

実際の扶養関係

配偶者や子が実際に扶養を受けていることが必要で、経済的な依存関係を証明する必要があります。

配偶者の場合は、原則として同居を前提として現に扶養者に経済的に依存している状態であること

子の場合は、現に扶養者の監護養育を受けている状態であること

経済的に独立している者は、扶養を受ける状態には該当しませんので、「家族滞在」ビザでの在留は認められません。

扶養者の扶養能力

扶養者が扶養の意思と扶養可能な経済力を有していることが求められます。在職証明書や源泉徴収票などで立証します。

適切な住居の確保

日本で一緒に生活するのに適切な住居が確保されていることが必要です。

住宅の広さや設備が家族構成に適しているかが審査されますので、住宅の契約書や間取り等が分かる資料を提出します。

物件の契約内容が同居者不可の場合は、別の住宅を確保する必要があります。

就労することが目的でないこと

日本に滞在する目的が就労でないことが前提となります。

就労目的で来日する場合は、技術・人文知識・国際業務ビザ等の就労ビザの取得が必要になります。

家族滞在ビザの申請方法と必要書類

必要書類(一例)海外から家族を呼び寄せる場合
(在留資格認定証明書交付申請)
日本にいる家族の在留資格を変更する場合
(在留資格変更許可申請)
補足
申請書在留資格認定証明書交付申請書在留資格変更許可申請書
写真(縦4cm×横3cm)6カ月以内に撮影されたもの
扶養者との身分関係を証明する文書戸籍謄本、婚姻証明書、出生証明書、養子縁組証明書など。
日本語または英語以外の言語の場合は翻訳が必要になります。
扶養者の在留カード・旅券(パスポート)の写し
扶養者の職業及び収入を証明する文書・給与所得の源泉徴収票
・在職証明書
・課税証明書
・確定申告書控えの写し
・在職証明書
など
・給与所得の源泉徴収票
・在職証明書
・課税証明書
・確定申告書控えの写し
・在職証明書
など
扶養者が家族を扶養できる経済力があることを示す重要な書類です。扶養者の状況に応じていずれかが必要となります。
申請人の在留カード×在留資格変更許可申請の場合、申請時に入管へ提示が必要です。
申請人の旅券
(パスポート)
×在留資格変更許可申請の場合、申請時に入管へ提示が必要です。

※家族が他の在留資格(留学など)で滞在している場合、「家族滞在」へ変更することができます

審査で特に重視されるポイント

家族滞在ビザの審査では、以下の点が特に重要視されます。

扶養者の扶養能力(経済力)

扶養者が家族を養うのに十分な収入があるかが厳格に審査されます。

居住する場所によって求められる扶養能力は異なりますし、審査官による総合的な判断により許可がされますので、明確な金額は明らかにされていませんが、家族1人を呼び寄せる場合、月収20万円程度あれば許可されています。

さらに、家族を呼び寄せる場合は、1人につき年収額が20~50万円程度追加で必要となります。

※あくまでこれらの数値は目安であって、最終的には入管による総合判断で決定されます

扶養を受ける必要性

申請者が本当に扶養を受ける必要があるかが判断されます。申請者が母国で十分な収入を得ている場合は不許可となる可能性があります。

家族関係の真実性

偽装結婚や虚偽の養子縁組でないかが慎重に審査されます。

住居の適切性

家族が生活するのに適した住居が確保されているかが確認されます。

家族滞在ビザの審査期間(標準処理期間)

母国から扶養家族を呼び寄せる場合は、1~3ヶ月程度かかります。

家族滞在ビザでの就労は可能か?

原則として就労不可

家族滞在ビザを持つ外国人は、原則として就労できません。日本に滞在する目的が扶養を受けることであるためです。

「資格外活動許可」があれば就労可能(上限あり)

就労を希望する場合は、「資格外活動許可」を取得する必要があります。資格外活動許可には下記の2つの種類があり、家族滞在で在留する場合は、包括許可でパート、アルバイト勤務することになります。

包括許可

週28時間以内の勤務であれば、許可の範囲内で比較的自由にアルバイトができます。

包括許可の特徴

週28時間以内の就労が可能

単純労働を含む幅広い業務が認められる

風俗営業関連は除外

個別許可

単純就労を除く特定の活動に従事する場合で、勤務先も特定したうえで許可されるものです。以下の条件を満たす場合に認められます。

・活動に従事する期間が在留期間の半分を超えないこと

28時間を超えた場合の罰則

週28時間を超えて就労した場合、資格外活動許可違反となり、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。

もっと働きたい場合は「就労ビザ」への変更が必要

週28時間を超えて働きたい場合は、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへの変更が必要です。

企業が家族滞在ビザ保持者を雇用するメリット

人手不足の解消

労働力不足に悩む企業にとって、家族滞在ビザ保持者は貴重な人材となります。

業務内容の柔軟性

就労ビザの場合は従事できる業務が一定のものに限定されていますが、家族滞在の場合は、高度な専門的知識が必要な業務から単純労働まで幅広い業務を任せることができます。

ただし、風俗営業関連業務は除外されます。

長期雇用の期待

家族と一緒に日本で定着して生活しているため、比較的長期的な雇用が期待できます。

雇用企業向け FAQ(家族滞在ビザ)

Q1. 家族滞在ビザの外国人をアルバイトで雇う際の注意点は?

A1. 必ず以下の3点を確認してください。

① 在留カードの在留資格が「家族滞在」であること
② 在留期間が有効であること
③「資格外活動許可」があること(裏面に記載)

資格外活動許可がなければ就労させてはいけません。

Q2. 勤務時間の上限「週28時間」は、企業側も管理義務がありますか?

A2. はい、あります。

週28時間を超えると違法就労(オーバーワーク)となり、企業側も処罰対象(不法就労助長罪)になるおそれがあります。

他社との兼業がある場合も含め、本人に確認し、労働時間の合計が週28時間以内に収まるよう管理しましょう。

Q3. 家族滞在ビザでフルタイムで雇用することはできますか?

A3. できません。

フルタイム勤務は週28時間を超えるため、「家族滞在」では認められません

フルタイムで働いてもらいたい場合は、本人に「就労可能な在留資格(例:技術・人文知識・国際業務)」への変更を案内する必要があります。

Q4. 採用後に在留資格が切れたまま働いていた場合、企業の責任はありますか?

A4. あります。

在留資格の有効期限が切れている状態で雇用を継続すると、企業は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

採用時だけでなく、雇用中も定期的に在留カードの確認を行い、在留期限の管理を徹底してください。在留期間は更新が必要で、更新の際には資格外活動許可の申請も同時に行いましょう。

Q5. 雇用予定者が資格外活動許可を持っていない場合、どうすればよいですか?

A5. 本人に入管へ資格外活動許可の申請をしてもらい、許可が下りてから雇用を開始してください。

許可前に働かせると、不法就労と見なされ、企業側も罰則対象になります。

申請中であっても、許可が下りるまでは就労させることができません。

Q6. 日本に来てすぐに「家族滞在」の申請はできますか?

A6. 扶養者の十分な扶養能力(長期雇用かつ安定した給与)と同居に適した住宅の確保ができているのであれば、就労を開始した直後であっても家族滞在ビザ取得は可能です。

まとめ|家族滞在ビザの取得・活用は専門家のサポートが安心

家族滞在ビザは、家族とともに日本で生活するために欠かせない制度ですが、申請書類の不備や扶養能力・扶養関係の証明が不十分だと不許可になることもよくあります。

家族滞在ビザの取得には、要件を満たした書類の準備と制度理解が欠かせません。

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