就労ビザ更新とは?流れ・書類・不許可理由まで行政書士が徹底解説

はじめに

外国人社員が日本で継続して働くためには、在留期限の前に必ず「ビザ(在留資格)」の更新手続きが必要です。更新を怠ると、不法滞在や企業側の法的リスクにつながることもあります。


この記事を書いた人

よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所 代表

行政書士・社会保険労務士

吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)


本記事では、就労ビザの更新に関する手続きの流れ・必要書類・費用・不許可リスクとその対策まで、企業・外国人双方が知っておくべき情報をわかりやすく解説します。

就労ビザには「在留期間」がある

外国人が日本で働くために必要な「在留資格」には、それぞれ在留期間が設定されています。例えば「技術・人文知識・国際業務」では、3ヶ月・1年・3年・5年になります。

この在留期間は在留カードに明記されています。企業側は、社員の在留期間をしっかりと把握し、更新時期を見落とさないよう注意が必要です。

なぜ就労ビザの更新が重要なのか?

外国人本人へのリスク

・引き続き日本での就労や生活の継続が法的にできなくなる

・不法滞在(オーバーステイ)になり、強制退去の可能性がある

企業側のリスク

・不法滞在(オーバーステイ)の外国人を雇用し続けると不法就労助長罪に問われる可能性
  → 懲役3年以下または罰金300万円以下もしくはその両方

・社会的信用が失墜する

・外国人雇用が難しくなり、事業継続にも影響(悪質な企業ということで入管の審査が厳しくなり、就労ビザの取得が困難になる可能性が高い)

就労ビザ更新の流れ【図解】

1.在留期限の確認
 在留期限は在留カードで確認ができます。在留期限の3ヶ月前から申請可能です。

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2.必要書類の準備
 申請者本人と企業双方で必要書類を準備します(後述参照)。

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3.在留期間更新許可申請書の作成・提出
 申請者本人が直接入管へ出向き書類を提出するか、行政書士に依頼して申請手続きを代行してもうこともできます。

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4.審査(1~3ヶ月)
 就労状況に変更がない場合は、1か月程度で許可が出ることが多いです。

 しかし、転職をして初めての更新申請の場合は、業務内容や転職先の会社の経営状況等も慎重に審査されるため、結果が出るまで1~3か月程度かかります。 事前に就労資格証明書を取得している場合は、1か月程度で結果が出ます。

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5.結果通知・新しい在留カードの受領
 許可の連絡があったら、再度入管へ出向き、収入印紙代を納付し、新しい在留カードを受け取ることができます。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新の必要書類一覧(転職なし)

就労ビザの更新手続きには、多くの書類が必要となります。

書類名注意点
在留期間更新許可申請書所定の様式PDF(出入国在留管理庁ホームページより)
在留カード・入管に原本を提示
パスポート・入管に原本を提示
証明写真(4cm×3cm)・申請前6か月以内に撮影したもの/背景がないもの
住民票・マイナンバーが記載されていないものを取得
・マイナンバー以外はすべて記載が必要
・市区町村役場で取得可能です(マイナンバーカードを作成されれている場合は、コンビニでも取得可能)
課税証明・1月1日現在お住まいの市区町村役場で取得(マイナンバーカードを作成されれている場合は、コンビニでも取得可能)
納税証明・1月1日現在お住まいの市区町村役場で取得(マイナンバーカードを作成されれている場合は、コンビニでも取得可能)
在職証明書・会社が発行
源泉徴収票・前年度分を提出
・なくした場合は、会社に再発行を依頼してください
会社のカテゴリーを証明する資料カテゴリー1
・四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
・上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)

カテゴリー2
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
・在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)[カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関に限る。]

カテゴリー3
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)

※転職ありの場合の必要書類は、在留資格認定証明書交付申請とほぼ同様になります。

こちらの記事をご覧ください。

就労ビザ更新申請の方法|自分でやる?行政書士に依頼する?

自分で入管へ提出する場合

ご自身で在留期間の更新申請を行う場合、原則として入管に2回出向く必要があります。

1回目: 在留期間更新申請書と必要書類の提出
2回目: 許可後に収入印紙代を支払い、新しい在留カードを受け取る手続き

特に首都圏の入管では混雑しており、手続きに2時間以上かかることも珍しくありません。訪問の際は、十分な時間の余裕をもって予定を立てましょう。

また、軽微な書類不備についてはその場で修正が認められる場合もありますが、基本的には修正後に再提出が必要となります。スムーズな申請のためには、正確な書類作成と、必要書類の漏れがないよう事前準備を徹底することが重要です。

なお、申請後に書類の不備が見つかった場合や、申請内容の確認が必要な場合には、入管から追加書類の提出依頼や確認の連絡が入ることもあります。

行政書士に依頼した場合

行政書士に依頼すると、書類作成、申請から入管とのやり取りまですべて丸投げすることも可能なため、企業や本人の負担が大幅に軽減されます。

入管からの連絡は行政書士が窓口となり対応します。

行政書士が在留カードを預かって申請する場合は、コピーと預かり証明書を発行します。
  → 職務質問等があっても在留カードの携帯義務違反にはなりません

また、書類の不備や不足にもプロが対応するため、スムーズな更新手続きが可能です。

就労ビザ更新の費用一覧【表付き】

    カテゴリー      項目    金額目安     備考
基本的な費用収入印紙代(入管への申請手数料:紙申請)6,000円自己申請の場合
収入印紙代(入管への申請手数料:オンライン申請)5,500円行政書士を通してオンライン申請する場合
書類関連費用住民票、課税・納税証明書などの取得費用数百円〜数千円各種証明書の発行手数料です。
結婚証明書・出生証明書などの本国書類翻訳料および日本への郵送料数千円〜英語以外の書類は日本語への翻訳が必須です。ご自身で翻訳できない場合は専門業者への依頼費用がかかります。
専門家への依頼費用行政書士への依頼費用5万円前後
転職ありの場合…10万円前後
書類作成や入管への申請代行手続きを依頼する場合の標準ん的な費用です。ご依頼の難易度やサービス内容、事務所によって料金が異なるため、事前に見積りを取って確認しましょう。

✍️ ワンポイントアドバイス

行政書士に依頼することで、手続きの負担軽減・不許可リスクの回避が期待できます。

申請費用の他に、書類の準備費・翻訳費も見落としがちなポイントです。

事前に費用総額を把握し、早めの準備を心がけましょう。

【スムーズな更新のためのポイント】

更新は在留期限の2〜3ヶ月前に開始するのが理想

収入の安定・雇用の継続が重要

書類の記載ミスや不備がないように慎重に準備を進めましょう

✅更新審査では、収入状況・雇用状況・税金や社会保険料の納付状況などが審査対象になります。特に転職や勤務内容の変更、収入の減少がある場合は注意が必要です。

転職時の就労ビザに関する手続きについては、こちらの記事をご覧ください。

就労ビザ更新失敗を防ぐ!よくある不許可理由と対策

万が一、就労ビザの更新が不許可とならないように下記の事項に注意して申請を行ってください。

主な不許可理由対応策
勤務実態があるのかがはっきりしない

給与振込や出勤記録が備え付けられていなかったり、不備があり、実際には働いていないと判断されるケースがある
・タイムカード・給与明細・雇用契約書を書面で保管をするようにし、外国人労働者にも書面またはデータで給与明細・雇用契約書を交付するようにする。
・出勤日や仕事内容と実態が一致するように勤務記録などを残しておく。
職務内容と資格のミスマッチ

いったん就労ビザを付与されたものの、大学などで専攻していた専門分野と無関係な仕事をさせていると入管に判断された(箱詰め、接客、レジ打ち、工場等でのライン作業など)
・経歴や学歴と業務内容の整合性を再度明確に示す。
・業務内容説明書等を作成し業務の専門性を強調するさらにを提出する。
・再申請時に就労ビザで認められている専門業務をさせている証拠関連性を文書化(その業務をさせている写真や業務日誌等)し提出する。
納税・社会保険の未加入・滞納

住民税や年金、保険料の未納があると、信頼性が著しく損なわれ不許可の原因に 
・会社で働く外国人社員は基本的に会社が税金や社会保険料を徴収し納付しててくれるので問題が起こることはありませんが、個人事業主や1人で法人を経営している経営者の方(経営・管理ビザ保有者)はご注意ください。

・ビザ更新時には納税・課税証明書の提出を求められますが、そこに税金未納の場合は金額が記載されています。未納がある場合は必ず完納して、未納額がなくなった状態の課税・納税証明書を取得して入管に提出してください。
雇用契約の条件悪化

正社員から派遣・契約社員に変更になった場合や、転職により給与額が下がった場合には、更新の際に不利益に取り扱われる場合があります。

・安定した雇用条件を維持するように留意し、条件変更時は雇用契約書・新しい給与明細等を提出。
・転職する際も、ビザ更新直前ですると給与額が低い状態で資料を提出しなければならないリスクがあるため、タイミングを考えることと、就労資格証明書を事前に取得することを検討。
書類不備・説明不足・立証の不足

書類の記入漏れ、以前のビザ申請資料との整合性のない経歴説明、根拠の薄い説明文などにより審査官が納得しないケース 
・全資料の再チェック(スペル・日付・内容一致)
・入管の審査基準に沿った申請書・理由書を作成
・必要に応じて行政書士に更新業務を依頼
素行不良・法律違反

入管法規違反や罰金・刑事事件歴があると不許可の可能性が高い
・駐車違反等の軽微な違反の場合は、正直に入管に申告し、反省し以後注意する旨の書類を添付すれば更問題にならないことが多い。
・重大な法令違反や素行不良がある場合は、不許可になる可能性が高いため一度、ビザ申請を専門とする行政書士に相談することをお勧めします
会社側の問題

会社の決算が赤字、社会保険未加入、その他法令違反行為が行われている場合、適正な外国人雇用が困難であると判断される
・会社の決算書や業務状況報告書を添付
・直近決算が赤字の場合は、事業計画書等の経営改善化の資料を提出して黒字転換の根拠を示す(ビザを専門にする行政書士や、税理士・中小企業診断士に相談し資料の作成を依頼することをお勧めします)
・社会保険制度への加入証明書等を提出

💡ポイント
当然のことではありますが、就労ビザの制度を十分に把握し、法令を遵守することが、ビザを維持するための一番重要なことになります。

もし、不許可になった場合は、まず入管で拒否理由を確認してください。ご自身で行うことに不安がある場合は、行政書士に相談し入管へ同席や最新性を依頼することで、適切な対応策を講じることができます。

まとめ・企業が果たすべき役割とは

就労ビザの更新は、外国人社員が日本で生活し、継続して就労するために不可欠で重要な手続きです。企業にとっても、法令遵守と人材確保の両立という観点から、軽視できるものではありません。

なかには、ビザ更新手続きをすべて外国人社員に任せている企業もありますが、これは重大なリスクを伴います。

たしかに、ビザ更新は原則として外国人本人が行う手続きですが、日本語能力に不安があったり、ビザ申請に不慣れな外国人社員に任せきりにすると、友人の成功体験談を過信したり、インターネット上の不正確な情報をもとに誤った申請をして不許可になってしまうことも少なくありません。不許可になった申請を覆すことは、私たち行政書士でも容易ではありません。

こうしたトラブルを防ぐためにも、企業が主体的に更新手続きをサポートする体制を整えることを強くおすすめします。なお、更新手続きにかかる費用を外国人社員本人に負担させること自体に問題はありませんので、確実に許可される方法を優先して対応することが重要です。

申請に不安がある場合は、ビザ申請に精通した行政書士に相談することが、最も確実な方法です。