はじめに
就労資格証明書は、「転職後の業務内容が、今持っている在留資格で適法に行えるかどうか」を入管が確認するための重要な書類です。
ところが、実際の申請書を見てみると、
・項目が多くて、どこに何を書けばいいか分からない
・「証明を希望する活動の内容」(仕事内容)の書き方に自信がない
・書き方を間違えたら不許可になるの?
といったご相談を非常によくいただきます。

【この記事を書いた人】
よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所 代表
行政書士・社会保険労務士
吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)
本記事では、就労資格証明書交付申請書の「書き方」に特化して、申請書の上から順番に、全項目の記載方法を分かりやすく解説します。
この記事の「記入例」と「項目別の一覧表」を見ながら進めていただければ、ご自身で就労資格証明書交付申請書を作成できるようになることを目指しています。
※なお、「就労資格証明書とはそもそも何か」「どんな場合に必要か」「手続の流れ」などの制度面については、こちらのブログをご覧ください。
就労資格証明書 記入例(サンプル)
まず、実際に記入した就労資格証明書の「記入例」をご覧ください。
この記入例を参照しながら、次の「項目別一覧表」を見ていただくと、どの項目に何を書けばよいかが分かりやすくなります。
申請書の全項目を一覧で確認する(項目別チェック表)
次の表は、就労資格証明書交付申請書を「上から順番に」並べ直し、それぞれの欄に何を書けばよいか、注意点とともに整理したものです。
この表をチェックリスト代わりに使いながら、申請書を作成してみてください。
| 番号・項目名 | 申請方法 | 注意点・補足 |
|---|---|---|
| ①国籍・地域 | パスポート記載どおり | 記入例…ベトナム、フランス、中国、台湾 |
| ②生年月日 | 西暦で記載(例:1985/1/1) | 和暦(昭和・平成・令和)は使用できません |
| ③氏名(ローマ字) | パスポート記載どおり | ミドルネーム省略不可・順番注意、中国等の漢字の名前の場合は、まずアルファベットで記入し横に漢字名を記入します |
| ④性別 | 該当する方に〇 | — |
| ⑤住居地 | 日本の住所を記入、住民票または在留カードの記載どおり | 部屋番号・号・階など記入漏れに注意 |
| ⑤電話番号 | 自宅固定電話番号を記載 | 固定電話がない場合は、「なし」または空欄でOK |
| ⑤携帯電話番号 | 携帯電話番号を記載 | 入管から確認の電話が入る場合があるため、日中連絡が取れる番号を記載 |
| ⑥(1)旅券番号 | パスポート番号を記載 | |
| ⑥(2)有効期限 | パスポートの有効期限を記載 | 例:2030年10月31日(枠内に数字だけを入力)※パスポートの有効期限は右側から記載してあります。真ん中は日ではなく、月なので注意が必要 |
| ⑦在留の資格 | 在留カードの記載どおりに記入 | 例:技術・人文知識・国際業務 |
| ⑦在留期間 | 在留カードの記載どおりに記入 | 例:5年 |
| ⑦在留期間の満了日 | 在留カードの記載どおりに記入 | 例:2026年2月26日(枠内に数字だけを入力) |
| ⑧在留カード番号 | 在留カードの記載どおりに記入 | 例:DX〇〇〇〇LA |
| ⑨証明を希望する活動の内容 | 具体的な業務内容、または別紙に職務内容を記載する場合は、「別紙参照」 | 審査の可否を左右する重要な項目。別紙で詳細に業務内容を説明することを推奨 |
| ➉就労する期間 | 雇用契約書や内定通知書に記載されている期間を記載 | 正社員として期限の定めがない場合の記載例:2025年12月1日から2030年11月30日(無期雇用であってもそれを記載する欄がないため、すでに5年の在留期間を有している方は雇用契約を5年で記載して問題ありません)、有期雇用の方は、契約期間の始期と終期を入力 |
| ⑪使用目的 | 例:内定先である○○株式会社に提出するため | 短文でOK |
| ⑫法定代理人署名欄 | 未成年者等の場合に記載 | 成人は空欄でOK |
| 申請人(法定代理人)の署名/申請書作成年月日 | 申請者が自筆で署名(パスポートに記載した署名でOK)し、書類を作成した日付を記入 | |
| 取次者欄 | 行政書士・弁護士が取次ぐ場合に記載 | 本人申請の場合は空欄 |
この表を見ながら、実際の申請書と照らし合わせていただくと、どの項目に何を書けばよいかが一目で分かるようになります。
各項目の書き方をもう少し詳しく解説
ここからは、特にミスが出やすいところ、審査で重視されるところを中心に、もう少し踏み込んで解説します。
①〜④:基本情報欄(国籍・生年月日・氏名・性別)
この部分は、一見シンプルですが、次のようなミスがよく見られます。
・生年月日を和暦で書いてしまう → 西暦で記載しましょう!
・氏名の記載は姓(Surname)、名(Givenname)の順で記入する
・ミドルネームを省略しない → パスポートの記載のまま記入する
⑤:住居地・電話番号・携帯電話番号
この欄も、意外と記載漏れや誤記が多いです。
・住居地は、住民票の住所でも在留カードの住所でも構いませんが、 どちらか一方と「完全に一致」するように記入しましょう。
・特に、 「○丁目」「○番」「○号」やマンション名・部屋番号の書き間違えや記入漏れがよくあります。
⑥:旅券番号・旅券有効期限
ここは、パスポートを見ながら淡々と記載する部分です。
・旅券番号の0と O(数字のゼロとアルファベットのオー) を書き間違える等
・有効期限の日と月を書き間違えてしまう(04/15 → 15/04 など) → パスポートの右側から記載
といったケアレスミスが起こりやすいため、記載後にもう一度パスポートと照合することをおすすめします。
⑨:証明を希望する活動の内容(審査の最大のポイント)
この項目が、就労資格証明書の可否を分ける「最重要ポイント」です。
入管は、この欄を通して、
・転職後にどのような仕事をするのか
・その仕事は、現在の在留資格の「活動内容」に当てはまるのか
・申請人の学歴や職歴と、どの程度関連しているのか
といった点をチェックしています。
別紙で「業務内容説明書」を作成することを強くおすすめします
欄のスペースが限られているため、本当に伝えたい内容を十分に書ききれないケースがほとんどです。
そのため、実務上は、
・別紙で「業務内容説明書」を作成し、この欄には「別紙参照」と記載するという形をおすすめしています(必須h書類ではありません)。
業務内容説明書では、次のような内容を記載していきます。
・申請人の概要
・会社概要
・従事する業務について
・学歴・職歴との関連性等
詳細は別ブログでご案内します。
⑩:就労する期間
ここは、転職先の会社が発行する「雇用契約書」、「就労資格証明書」「内定通知書」の内容と必ず一致させましょう。
・正社員の場合 → 「期間の定めなし」という検索項目がないため、5年の在留期間を保有している方は、雇用開始の日から5年後の日付を入力しておけば問題ありません。 2025年12月1日〜2030年11月30日
・有期契約社員の場合 → 2025年12月1日〜2026年11月30日など、契約書どおりに記載
在留資格の更新や、会社側の採用計画にも関係する部分ですので、契約書を確認しながら丁寧に書きましょう。
⑪:使用目的
ここは、難しく考える必要はありません。
「この就労資格証明書をどこに提出するのか」を、短い文章で書けば十分です。
記載例
・転職先である○○株式会社に提出するため
・新たな勤務先の採用手続に使用するため
・転職後の業務内容が現在の在留資格に適合していることを確認するため
どれも問題ありませんので、実際の利用場面に合わせて選んでください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 就労資格証明書とは何ですか?
A. 就労資格証明書は、転職後の業務内容が現在の在留資格で適法に行えるかを入管が確認するための書類です。
転職時の業務内容と在留資格不適合による不法就労リスクを避けるため、企業側が提出を求めるケースが増えています。
Q2. 就労資格証明書は転職時に必ず必要ですか?
A. 必須ではありませんが、転職先の会社が入社前に提出を求める場合があります。
また、転職後の業務内容が在留資格に適合するかを証明できるため、後々のトラブル防止や精神安定のために有効です。
Q3. 就労資格証明書の申請に必要な書類は?
A. 主な書類は以下のものになります。
・就労資格証明書交付申請書
・在留カード
・パスポート
・転職先の雇用契約書・内定通知書
転職先での業務内容や個人の事情等により提出書類が人により異なる場合がありますので、提出時はご自身で確認をお願いします。
Q4. 「証明を希望する活動の内容」はどう書けばいいですか?
A. 証明を希望する活動の内容はこの書類の中で最重要項目になります。
枠内に業務内容の記載ができる場合は、そのまま記載していただいて結構です。
ただし。業務内容が具体的でなく漠然としていると、申請後に入管から追加資料を求められるケースもあるため、このような時間のロスを減らすため、別紙で「業務内容説明書」を作成し具体的にどのような専門的な仕事を行うのかを記載することをお勧めしています。
その場合、申請書には「別紙参照」と記載します。
Q5. 書き方を間違えると不許可になりますか?
A. 1~2か所の記載ミスのみで即不許可になることは少ないと思いますが、間違いがあまりに多いと即不許可の可能性もあります。
Q6. 申請から発行まではどれくらいかかりますか?
A. 通常は1ヶ月程度です。
急ぎの場合は、必要書類を早く揃え、ミスのない申請を行うことが重要です。
Q7. 正社員(無期契約)の場合、就労期間の欄はどう書く?
A. 無期雇用でも、在留期間に合わせて+〇年間で入力しておけば問題ありません。
在留期間が5年の場合の例:2025/12/1〜2030/11/30。
Q8. 行政書士に依頼するメリットはありますか?
A. 迅速かつ正確な「就労資格証明書交付申請書」、審査の要点を踏まえた「業務内容説明書」を作成できる点、書類不備の防止、許可可能性を一層高めることができる点が大きなメリットです。
当事務所では書類が揃い次第、翌日には申請を行いますので、急いでいるお客様から多くご利用いただいております。
まとめ:この記事を見ながら書けば就労資格証明書交付申請書が作成できます
今回は、就労資格証明書交付申請書の「書き方」に絞って、行政書士の立場から、全項目を上から順番に解説しました。
・どの欄に何を書くのか
・「証明を希望する活動の内容」をどう書けばよいのか
といったポイントを押さえれば、ご自身でも就労資格証明書交付申請書の作成は決して難しいものではありません。
それでも、
・転職後の業務内容が在留資格に本当に合っているか不安な場合
・職務内容の整理や、職務内容説明書の作成に自信がない場合
・会社として、ビザのリスクをきちんと確認しておきたい場合
・就労資格証明書を転職先に提出しないと入社できないので、急いで取得したい
・それでもプロに就労資格証明書の申請を行ってほしい
といった場合には、よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務に一度ご相談ください。
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