公開日:2025年11月26日
はじめに
「学校を退学することになったが、日本にいられますか?」
「手続きを忘れるとビザが取り消されますか?」
「次の学校が決まるまでアルバイトはできますか?」
これらは、退学した外国人留学生から当事務所へ寄せられる相談で最も多い質問です。
結論から言うと、退学した時点で「留学」ビザの根拠がなくなるため、そのまま放置すると在留資格取消の対象となります。
また、退学後のアルバイトは不法就労となるため、絶対にやってはいけません。

【この記事を書いた人】
よしもと国際行政書士・社会保険労務士事務所 代表
行政書士・社会保険労務士
吉本 祐樹(Yuki Yoshimoto)
この記事では、退学・除籍処分になった留学生が「今すぐやるべきこと」と「日本に残るための選択肢」を行政書士がわかりやすく解説します。
留学生が退学したら在留資格(ビザ)はどうなる?
退学した時点で「留学」の根拠を失う
「留学」ビザは、次の条件がそろって初めて認められます。
①日本の教育機関に在籍していること
➁実際に教育を受ける活動を行っていること
そのため、退学・除籍となったタイミングで、在留カードの期限が残っていても「留学」ビザの根拠は消滅します。
在留カードの期限は「滞在許可期間」ではない
多くの留学生の方が勘違いしていますが、在留カードの期限が残っていても、学校に在籍していなければ正当な滞在とは言えません。
入管法22条の4では、「正当な理由なく活動しない状態が3ヶ月以上続いた場合、在留資格取消の対象」になると定められています。
つまり、退学後は「勉強する」という留学ビザの前提が崩れ、在留資格を維持できない状態になります。
退学翌日からアルバイトは「完全禁止」
ここが最も大事なところです。
留学生が持つ「資格外活動許可(週28時間アルバイト)」は、学校に在籍していることが前提での許可がされます。
・退学した時点で資格外活動許可の効力は消滅
・退学後に働くと不法就労
・不法就労歴があると今後のビザ取得・更新が極めて不利になる
このことは、「知らなかった」では通用しません。
発覚した場合、就労ビザの取得は相当困難になり、最悪の場合、退去強制につながることもあります。
退学したら最優先ですべきこと|14日以内の「所属機関に関する届出(離脱)」
退学が決まったら、14日以内に入管へ「所属機関に関する届出(離脱)」を提出する必要があります。
所属機関に関する届出(離脱)
提出期限:退学・除籍の日から14日以内
提出方法:オンライン・郵送・窓口
なお、届出を怠ると下記の不利益があります。
・20万円以下の罰金
・次回のビザ変更・更新が不利になる可能性
学校側も入管へ報告しますが、学生本人の届出義務は別途必要です。「学校がやってくれると思っていた」は認められません。
退学後も日本に滞在できる期間は?|「3ヶ月ルール」
3ヶ月間活動がないと在留資格(ビザ)の「取消対象」になる
入管法22条の4では次のように規定されています。
正当な理由なく在留資格に係る活動を3ヶ月以上行っていない場合、在留資格を取り消すことができる。
つまり、退学後3ヶ月以内に次の進路(就職・進学・帰国)を決めなければ、在留資格(ビザ)の取消手続きに入る可能性があります。
「3ヶ月経ったら即強制送還」になるというわけではありませんが、放置すれば状況は悪化していきます。
退学後に日本に残る方法は?|目的別のビザ変更
① 就職が決まっている場合(技術・人文知識・国際業務など)
就職先が決まっている場合は、就労ビザ(技人国など)へ変更申請を行います。
ただし、就労ビザ(技人国)には 学歴要件・実務経験要件 があり、母国の大学等を卒業していない場合や、学歴要件を満たしていない場合で10年の実務経験がない場合は、ビザ取得が難しいことが多いです。
② 別の学校へ進学する場合
大学・専門学校などへ入り直す場合は、留学ビザの変更・更新を行います。
ただし、出席率・成績不良で退学した場合、
「本当に勉強する意思があるのか?」、「また今回も同じようになるのではないか?」
と疑われ、不許可になる例があるため、理由書の作成が非常に重要になります。
【注意】「特定活動(就職活動ビザ)」は退学者は原則不可
大学を「卒業」した学生のためのビザであり、退学者には原則認められません。
「ゆっくり仕事を探したい」という理由では許可されません。
詳細はこちらのブログをご覧ください。
もし留学生が退学後にアルバイトをしてしまったら?
退学後にアルバイトをした場合は、不法就労になります。
知らずに働いた場合でも、雇用先の報告や入管の調査などに不法就労が発覚します。
知らずにアルバイトをしてしまった場合において、ビザ変更を行う場合は、
・違反事実を正直に申告する
・反省文(顛末書)を提出する
といった対応が必要ですが、許可が出る保証はありません。
それでも反省していて、二度と繰り返さないという態度を示すしかありません。
退学後のチェックリスト
□ 14日以内に「所属機関に関する届出(離脱)」を提出した
□ アルバイトを一切していない
□ 進学・就職・帰国の方針を決めた
□ 3ヶ月以内に新しいビザの申請準備を開始した
専門家に相談すべき危険なケース
以下に該当する場合は、自力でのビザ対応が難しいため、早めの相談が必要です。
・退学後にアルバイトをしてしまった
・出席率不良、成績不良で退学した・除籍になった
・退学からすでに3ヶ月近く経過している
・就職先は決まったがビザの申請に不安がある
FAQ(よくある質問)
Q1. 退学した後、どれくらい日本に滞在できますか?
A. 退学すると、その日から「留学活動ができない期間」が始まるため、正当な理由なく3カ月以上活動がない状態になると在留資格取消しの対象になります。
在留カードの期限が残っていても滞在が保証されるわけではなく、3カ月以内に進学・就職・帰国のいずれかの方向性を固めるのが必要です。
Q2. 退学してもアルバイトできますか?
A. 一切できません。
アルバイトをしてしまうと不法就労になるため、絶対にやめましょう。
Q3. 次の学校が決まっていれば変更できますか?
A. 可能ですが、退学理由によっては厳しい審査が厳しくなる場合があります。
Q4. 就労ビザは取れますか?
A. 技人国に変更する場合は、学歴要件・職務経験要件やその他の要件を満たしていれば可能です。
Q5. 学校を退学した場合は、最初に何をすべきですか?
A. 14日以内の離脱届が最優先です。
Q6. 退学理由は審査に影響しますか?
A. 大きく影響します。除籍はさらに厳しくなります。
Q7. 就職活動ビザは取れますか?
A. 退学者は原則不可です。
まとめ
退学・除籍になったからといって、すぐに出国しなければならないわけではありません。
しかし、対応が遅れれば遅れるほど、日本に残れる可能性は急激に下がります。
必ず次のポイントを守ってください。
・所属機関からの離脱届をすぐ提出する
・退学後のアルバイトは絶対にしない
・3ヶ月以内に別のビザへ変更するか帰国する
退学後の最適な対応は、学歴・職歴・退学理由・内定の有無によって大きく変わります。
当事務所では、無理に在留を引き延ばすよりも、
長期的に安定して日本で生活できる方法 を最優先にご提案しています。
状況が悪化する前に、まずは一度ご相談ください。
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